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プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ 12KB 観察 パロディ ドスまりさ 自然界 独自設定 環境番組風 二行作 ゆっくりの知られざる生態に迫る『YHKスペシャル プラネット・ゆース』。 本日は、その第三夜です。 第一夜は、wiki 594。第二夜は、wiki 675にて公開致しました。 一話完結ものに付き、未読でも、支障はありません。 内容には、『独自設定』『ネタ被りの可能性』『虐描写の物足りなさ』が含まれています。 ご容赦下さいますよう、よろしくお願い致します。 当局は、ゆ虐専門チャンネルではありません。 ゆ虐専門は『ゆナッフTV』を、すっきりーに関しては『パラダイゆch』をご利用下さい。 『YHKスペシャル プラネット・ゆース 第三夜 ~ドスまりさ たったひとつのゆっくりプレイス~』 広い岸壁。遥か上空からの映像です。 灰色の岩々に紛れるように、2つの黒い何かが見えます。 それは、まりさのお帽子。 ドスまりさの親子が、海を見ています。 何も、美しい景色に酔いしれているわけではありません。 親ドスが天気を読み、それを子ドスに教えているのです。 雨に弱いゆっくりにとって、天候はまさに死活問題。 群れを治めるドスまりさにとって、天気予報は必修科目です。 これから、このドス親子は旅に出ます。 一見地味な、天候の予測。 実はそれこそ、大冒険の始まりでもあるのです。 ドスまりさ。 ゆっくりの長となる生き物です。 近年、人里に下りてきては被害をもたらす、ドゲスや無能ドス。 これらは、正確には、ドスまりさではありません。 ドゲス等は、生物学的には、変異型大まりさ種と呼ばれます。 環境の変化等による突然変異によって、ドス化するので、こう呼ばれます。 変異は、身体能力の大幅な向上を促します。 しかし、思考能力の向上には、教育や経験が必要となります。 経験を伴わない肉体の躍進は、当然、慢心を呼び起こします。 これが、ドゲスに到るメカニズムなのです。 対して、先祖代々の餡統により、ドスとなるものがいます。 これが、本来のドスまりさです。 変異型と区別して、純ドスとも呼ばれます。 純ドスは総じて聡明です。 群れを正しく導き、特に天敵や脅威には敏感に反応します。 そのため、人間の前に姿を現すことは、ありません。 森の奥深くや、険しい山々に身を潜め、群れと共に生活しています。 こちらから、純ドスに接触を試みる研究者もいます。 しかし直接、コンタクトに成功したものは、いません。 これほどまでに警戒心の強い、純ドス。 カメラでの撮影は、不可能とされてきました。 それを可能にしたのは、人工衛星。 ゆーグル社の協力を得て、最新の超高感度カメラによる撮影を行いました。 人工物には繊細に反応する、純ドス。 そんな彼らでも、上空500kmからの視線を、感じることはできません。 最先端技術を投入して行われた、純ドス撮影計画。 しかし、実際にその姿をとらえるまでに、3年の歳月を要しました。 海にたたずむ、純ドスの親子。 この何気ない映像こそ、世界初の快挙なのです。 翌日。 ドスの親子が、驚くべき行動に出ます。 少し低くなっている岸辺に、2匹のドスが移動しました。 波しぶきがかかっていますが、お構いなしです。 なんと、親子は、大事なはずのお帽子を、海に降ろしました。 大小の帽子が、仲良く波間に浮かんでいます。 長い棒を、2つの口がくわえました。 そして、海へ向かって、飛びます。 一家心中ではありません。 驚くべきことに、2匹のドスまりさは、お帽子の上に下り立ちます。 そのまま、口から伸びる棒をオールとして、沖へ漕ぎ出すのです。 まるで、水上まりさのように。 ドスまりさ親子の旅。 それは、航海です。 あなたはきっと、こう思ったことでしょう。 ドスまりさの巨体を、あんなお帽子程度の浮力で、支えられるのか、と。 水上まりさとお帽子の関係は、ゆっくりの謎として、よく語られます。 明らかに、質量と浮力がつりあっていないからです。 ここに未検証ながら、ある仮説があります。 お帽子内部にはガスが溜まっている、という説です。 密封されたペットボトルは、見た目以上の浮力を持ちます。 水難事故の際、浮き輪の代わりに使用されるほどです。 そして、水上まりさとお帽子は、ぴったりと密着しています。 頭からお帽子を離さない時と、同じような接着作用が働いているのです。 つまり、水上まりさは、ちょっとした浮き輪の上に乗っていることになります。 気体である以上、空気が抜けて帽子が萎んでいくことも、考えられます。 そのため、まりさのあにゃる部分から、ガスが補充され続けているのではないか。 研究者の中には、そんな考えを持つ者もいます。 お帽子内部のガスの成分に、着目する人もいます。 驚くべき性質を持つ、未知のガスであるという、期待です。 しかし、水上まりさの脆弱さ故、調査は難航しています。 ドスまりささえ支える、お帽子の謎。 ゆっくりはまだまだ、ミステリーに包まれた存在なのです。 ドスまりさ親子の旅は、続きます。 沿岸部から出た彼らは、外洋に到り、さらに沖を目指します。 その時速は約4km。 人間の散歩と同じ速度です。 空は快晴。波は穏か。ドスにとっては、絶好の航海日和。 恐らくは、そんな天候を選んでいたのでしょう。 このような環境は、旅の終わりまで、続きました。 時折、海水が跳ねて、ドスゆっくりの皮膚にかかります。 しかし陽光が、あっという間に、それを乾かしていきます。 海の色が、深くなりました。 ここまで来ると、海の生き物の姿が、消え始めます。 シャチも出ません。 外洋は、まさに、海の砂漠。 2匹のドスは、オールを漕ぎ続けます。 休みなく続くその行為は、激しい疲労を伴うことでしょう。 しかし、親子の表情は、意外にゆっくりしています。 夜になりました。 2匹のドスは身を寄せ合います。 不思議にも、饅頭の塊は、少しづつ、沖へ沖へと流れていきます。 彼らは海流さえ、味方にしているのでしょうか。 暗くなると、ドスまりさの姿が、闇に溶けてしまいます。 衛星に取り付けられた赤外線カメラが、僅かにその輪郭を写すのみです。 オールだけは、離していないようです。 ゆっくりの歯は、意外に強いものです。 根野菜を噛み、棒を口でつかみ、オールにしたり、敵と戦ったりもします。 しかし、ゆっくりの顎に当たる部分には、骨がありません。 これでは、噛む力に負けて、歯がポロポロと抜け落ちそうなものです。 ドスまりさが眠りに付いている間に、その秘密を解き明かすことにしましょう。 ゆっくりの口の中にある白いものを、私達もゆっくりも、『歯』と読んでいます。 饅頭生物はそれを使い、咀嚼だけではなく、手の代わりに色々なものを扱います。 ですが、ゆっくりを研究する人々は、それが歯ではないことを、知っています。 実際には、爪に近いものです。 ゆっくりの『歯』は奥に行くにつれ、丸い曲線を描き、根元は外皮に直結しています。 他の動物と違い、口の中の皮から直接、生えてきているのです。 『歯』自体の強度は弱いものの、緩やかに湾曲した形状がバネとなり、衝撃を和らげています。 この弓なりの形は、グリップを強める効果もあるのです。 下の『歯』を支える皮膚は、あんよ周辺のもので、ゆっくりの中では一番頑丈な部分です。 この下顎ともいえる部位が、ゆっくりの噛む力の源となります。 いわゆるテコの原理を応用し、時には『歯』の強度をはるかに越えるものさえ、噛み切ります。 栓抜きを思い浮かべれば、分かりやすいかもしれません。 野生ゆに、硬いダイコンなどが食べられてしまうのは、このせいです。 ドス種のあんよは、巨大な重量を引き受けるほどの、頑丈さを誇っています。 それに連なる『歯』もまた、連日のオール漕ぎを苦にしない、強さを持っているのです。 外皮部分に深刻なダメージを受けると、『歯』も同時に機能を失います。 しかも抜け落ちる時は根元から剥離してしまうので、再生することもできません。 口からポロポロとこぼれ落ちる白いものを見て、誰もが『歯』だと思ってしまいがちです。 あらゆる常識に囚われないことが、ゆっくり研究の基本なのです。 ドス親子の旅は、2日間に及びました。 その行程はおよそ100km。 フェリーなら2時間程度の道のりですが、ゆっくりにとっては、命がけの航海です。 ある場所で、2匹のドスまりさは静止します。 おさげにオールを絡ませ固定し、留まる体勢に入りました。 そこは一見、何もない、単なる海のど真ん中に見えます。 解析の結果、ここはあらゆる水の流れが及ばない位置だということが分かりました。 波さえ穏かであれば、いつまでもそこで漂っていられる場所です。 ここに来て、彼らがまず行ったこと。 それは、平凡な、すーりすーりでした。 暖かな日差しの中、ゆっくりと、愛情を確かめ合っています。 それが一段落すると、口をパクパクと開き合います。 おうたを歌っているようです。 衛星カメラからの映像のため、音声は取れていません。 しかし、そのゆっくりとした表情は、俯瞰視点にも関わらず、鮮明に分かります。 ゆーグル社クルーの、技術の賜物です。 この光景だけ切り取れば、水上まりさ親子の、何でもないスキンシップに見えます。 実はこれこそが、危険を冒してまで旅をしてきた、ドス親子の目的なのです。 純ドスは、ゆっくりの長です。 それは、ゆん生の全てを、他のゆっくりに捧げることを意味します。 ドスとなったが最後、自分がゆっくりすることは、叶わないのです。 ドスはその巨体故、自然の驚異に、最もさらされます。 それにも増して恐ろしいのは、人間です。 発見次第、駆除されてしまうことを、純ドスのまりさは知っているのです。 これらの危機から群れと自分を守るため、純ドスは絶えず緊張していなければなりません。 どこかでこっそりゆっくりしようにも、特性が邪魔をします。 ドスのゆっくりオーラが、他のゆっくりを呼び寄せてしまうのです。 純ドスがゆっくりできる条件とは、ゆっくりにも、人間にも、天候にも邪魔をされないこと。 そんな条件を満たした数少ない場所が、ここ、外洋のど真ん中なのです。 大海原は砂漠や極北ほど過酷ではなく、遥か沖に到れば、生き物の数も少なくなります。 しかも今、ドス親子がいる周辺は、船舶の航行ルート等からも外れています。 母なる海。 それこそが、ドスまりさの、たったひとつのゆっくりプレイスなのです。 一昼夜かけて、他愛もない行為は繰り返されました。 変化は、翌朝、やってきました。 親ドスが、穏かな笑みを浮かべ、空を見ています。 子ドスは、泣いていました。 大きな方のドスが、おさげを振り上げました。 今まで旅を共にしてきた、ひとつのオールが、あらぬ方向へ飛ばされ、流されます。 親まりさが、目を閉じました。 金髪が風になびき、笑顔が、より鮮やかになります。 子ドスが、驚くべき行動に出ます。 そよぐ金髪ごと、親の頭部を、かじりました。 止めどなく涙を流しながら、まりさは、咀嚼します。 子は親を、食べ続けました。 時折、嗚咽しているのでしょう。 口の中の餡子が、ポロポロと海の中へ落ちていきます。 どんなに自分が減っていっても、苦悶ひとつ、親まりさは表しません。 笑み結ばれたままの口元が、人間の目には、より凄惨なものに見えてしまいます。 恐らく、親ドスは幸せなのでしょう。 それは同時に、中身がパサパサしておいしくないことも意味します。 この共食い行為には、どんな意味があるのでしょう。 世話品大学の滋賀博士は、こう分析しました。 「この一連の行為は、親ドスから子ドスへの、継承の儀式のようなものです。 子が親を生きたまま食べることにより、記憶餡を直接取り込むことができます。 経験と記憶が、完璧に受け継がれるのです。 純ドスが、ゆっくり種としては考えれないほど賢いことも、これで説明が付きます。 もうひとつ、考えられることがあります。 それは、食べることそのものを、忌避させることです。 純ドスには、あらゆるゆっくりが許されず、食事も例外ではありません。 第一、あれだけの巨体です。 無計画に食事すれば、あっというまに群れ全体が飢えるでしょう。 だからこそ、ここで食事そのものへの、トラウマを植えつけているのです。 もしかしたら、このたった一回の食事が、ドス一生分のカロリーとなるのかもしれません」 遂に親ドスの体が、半分以下になりました。 残された口元は未だ笑っています。 もう、生きてはいないでしょう。 子ドスは、泣き止んでいます。 記憶餡が、吸収・継承されたようです。 たったひとつになったドスが、再びオールをくわえます。 棒の先で、半分になった饅頭を突き、海へ落としました。 深い深い海底へ沈んでいく、親まりさ。 もしかしたら、たくさんのドスが、こうやって溶けていったのかもしれません。 新しいドスが、器用に親のお帽子をオールにひっかけて、被ります。 もし不意に雨が襲ってきたとしても、多少は防ぐことができるでしょう。 やや小ぶりだった子ドスの体は、一回り大きくなっていました。 その表皮も海と潮風にさらされて、厚く丈夫になっています。 ドスは、来た道を戻っていきます。 群れに、帰るのです。 陸にあんよを付き、群れへ入った瞬間から、ドスとしての生活が始まります。 とても、過酷なものです。 それでもドスまりさは、耐え続けることでしょう。 いつの日か、愛する我が子と共に、再びゆっくりプレイスを訪れる時まで。 偉大なる親と同じ場所に、還る日を夢見ながら。 『YHKスペシャル プラネット・ゆース 第三夜 ~ドスまりさ たったひとつのゆっくりプレイス~』 製作: YHK(ゆっくり放送協会) カメラ: 脳内 音楽: 脳内 特殊: 脳内 協力: ゆーグル 世話品大学 脚本・語り: 二行 収録: 餡小話 ふたばSS@WIKI 『プラネット・ゆース』第三夜、いかがでしたでしょうか。 次回の放送は、未定です。 取材が進み次第、公開して参ります。 リクエスト等ありましたら、是非、お寄せ下さい。 ありがとうございました。 (終) 【過去作】 ふたば系ゆっくりいじめ 833 俺持ってんの1円じゃなくて・・・ ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 666 チューチューラブリームニムニムラムラプリンプリンボロンあにゃるぺーろぺーろ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 629 極上のすっきりプレイス(餡子ンペ09) ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を(餡子ンペ09) ふたば系ゆっくりいじめ 497 DYC ふたば系ゆっくりいじめ 453 空から降る100万のぷくー ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ふたば系ゆっくりいじめ 402 れいむ・マスト・ダイ(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 379 れいむ・マスト・ダイ(前編) nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 二行の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る よく考えられた話だなぁ とてもゆっくりできました -- 2012-06-23 20 36 26 最初に書いてたけど、ほんとにゆ虐成分薄いなぁ。 まさにゆっくりを生き物としてとらえてるのが良い。 けどもう少し苦行がほしかった・・・そんな風に思うのは俺が末期だからですね、わかります 最近はゆっくりが幸せそうにしているだけで潰したくなるorz -- 2011-10-29 01 20 07 おお、こういうドスは良いなぁ… 親の深い愛情を感じるよ。 ドスがゆっくりするのは本当に大変何だなぁ -- 2010-11-12 18 47 39 面白かった -- 2010-06-14 00 27 30 いいなぁ、好きだ、こういうの -- 2010-04-07 14 46 59
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「ふたば系ゆっくりいじめ 845 こいするれいむとゆめのくすり/コメントログ」 幻想郷設定はあまり書かない方がいいっすよ。 原作側がゆっくりとは無関係と公言しているので。 -- 2018-03-21 19 36 42
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「ふたば系ゆっくりいじめ 995 私の研究/コメントログ」 かっけー。 -- 2010-08-07 22 36 30 これこそ真の虐待鬼威参!! -- 2010-08-22 00 52 54 よしっ! -- 2010-12-18 20 35 50 かっこいい御兄さんだな -- 2011-01-01 00 40 47 よくやった鬼偉山! -- 2011-09-08 19 37 17 社会でしか生きられない人間が、社会を擲ってまで我を通す。 真の虐待お兄さんがここには居た。 -- 2011-09-28 00 24 02 ア、アニキ… -- 2012-04-04 22 53 56 そんなことないゆっくりゆうかときめぇ丸とめーりんとちるのはいいやつじゃないか! -- 2012-07-28 01 04 57 最後感動した・・・・ 尊敬する。 -- 2012-07-31 22 40 09 何度読んでもいい作品だわ・・・こんな素敵な鬼威参そうそういない -- 2012-08-17 17 25 39 すっきりー!したわ -- 2014-11-16 22 18 09
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「ふたば系ゆっくりいじめ 479 やさしいまち/コメントログ」 面白かった -- 2010-03-07 02 30 34 やさしいにんげんさんばかりでゆっくりできるのぜ!! -- 2010-06-27 11 26 23 ここまでゆっくりにしてやる必要なんてないのに・・・優しすぎるぜ・・・ -- 2010-08-21 02 05 36 こんなゆっくりできる事を貪ろうとするだけの野良なんかを中にいれたら、 このゆっくりした町が崩壊するもんな 駆除して当然 -- 2010-09-24 08 23 14 プロの芸ゆっくりが保護されるのは当然だが 野良にまで優しいとは・・・ この町の人達とは気が合いそうにないね -- 2010-11-12 06 13 27 最初のゆっくり園の奴らが不幸になる展開が見てみたい -- 2013-04-15 10 47 41 ここにいたらストレスマッハで死ぬ -- 2013-07-12 17 17 15 れいむだけ不幸になる展開を期待したのに。 -- 2016-12-07 07 40 00
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常識を蹴り飛ばせ!! 34KB 虐待-いじめ 愛で 野良ゆ 赤子・子供 希少種 現代 独自設定 バッジ設定あり いじめ・・・? ・希少種愛でです。どんと来いという方はどうぞ。ピキィっとくる方はお気をつけ下さい。 ・変な設定が入ってます。大らかな心で受け流していただけると幸いです。 では、ゆっくりしていってくださいね!!! とある午後の昼下がり、人気の無い公園の片隅にて。 「たしゅけちぇ・・・だれきゃ、きゃわいいれーみゅを・・・」 「ど、どぼちてきょんにゃきょちょにぃ・・・」 二匹ゆっくり、赤れいむと赤まりさの姉妹が死にかけていた。 別にこれと言った特別な理由などない。 単に二匹の親がいつも通りに人間に物乞いという名の挑発をして 「ばかなにんげんはさっさと・・・ゆげっ!うばぁぁぁ!!やべでぇぇぇ!!! でいぶおめ゛め゛でぢゃう!!じんじゃうぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「ゆわぁぁ゛ぁ゛!!でいぶぅぅ゛ぅ゛!!ゆっぐりでぎな・・・ や、やべでぐだざい!ごろざないでぐだざい!!あやばりばずがら! ばでぃざがわるがっだでずがら!!うぎゅっ!?いだい!!やべでぇぇぇ゛ぇ゛え゛っ……」 「ばでぃざぁぁ゛ぁ゛!!・・・でいぶだげはだずげでね! ぼうばでぃざがじんじゃっだんだがらでいぶはだずげでね!! 『ダメ』・・・?ぞ、ぞんなぁ゛・・・いや゛ああぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 あっさりと殺されてしまったからである。別段野良ゆっくりの行動として珍しいものではない。 そして、そのとき運良く生き延びる事ができた子供がどうなるのか。 そんなことは言うまでもない。無力なゆっくりの中でも特別無力な赤ゆっくりが世を生き延びる事など不可能である。 それこそ奇跡が起きない限りはそのまま無様に、誰一人として気づかれる事も無くひっそりと息絶えるしかないだろう。 「もっちょ・・・ゆっ・・・ゆっきゅりちた・・か・・っちゃ・・・よ・・・」 「まりちゃ・・・もっちょ・・やりちゃいこちょ・・・たくしゃん・・あっちゃ・・・にょ・・にぃ・・・」 流石の極限状態によって、とうとう危機意識の欠片もない赤ゆっくりでも死を覚悟したようだ。 これが野良ゆっくりの在り方。特別な事など何もない、よくある話。 だったのだが――― 「……っちです!こっちでこえがきこえたんです!ゆっくりしないできてください、おにいさん!!」 「おい、急にどうしたってんだよ!待てって!!って言うかはえーよ!お前本当にゆっくりか!?」 「ゆっくりしてるばあいじゃないんです! たしかこっちから・・・」 「ゅ・・・?だれにゃ・・・にょ・・・?」 「・・・おか・・・しゃ・・ん・・・?」 「あっ!!みつけました!! なんてことでしょう。こんなにぼろぼろになって、かわいそうに・・・」 「おい、何が・・・って、なんだこれ!?死・・・んでないのか、まだ」 なんでもない日の、とある午後の昼下がり。 人気の無いどこにでもありそうな公園の片隅で、小さな奇跡が起きた。 常識を蹴り飛ばせ!! 「れーみゅふっかちゅっしちゃよ!ゆっきゅりちちぇいっちぇにぇ!!!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!しょれちょあまあましゃんもっちょちょーらいにぇ!!」 「うふふ。げんきになってよかったですね。やっぱりさなえのかんはまちがってなかったです!!」 ここは先ほどの公園から少し離れたところにあるマンションの一室。 先ほど虫の息であった二匹の赤ゆは、オレンジジュースによって見事に復活を遂げていた。 喜ぶ二匹を傍で嬉しそうに見ているのは緑の髪と蛙や蛇の形をした飾りをつけたゆっくり、ゆっくりさなえ。 更にそんな三匹の様子を少し困ったような顔で見ているのは、この部屋の主である青年だ。 「・・・まあ、偶然であれ見つけてしまった以上、助ける所までは良しとしよう。 でも本当にウチで飼うまでする必要があるのか?」 「なにいってるんですか。このこたちだけじゃこのままおそとでくらしてもゆっくりできずにしんじゃいます! まだおちびちゃんなんですよ?さなえはなにもせずにみすてることなんてできません! ・・・おにいさんがたいへんになることはわかってます。でも、さなえもちゃんとてつだいますから・・・」 「どうちちゃにょ?しゃっしゃちょきゃわいいれーみゅをゆっきゅりしゃしぇちぇにぇ!!!」 「まりしゃたちにょきゃわいしゃにみちょれにゃいではやきゅあみゃあみゃしゃんちょーらいにぇ!!」 「「ゆゆ~ん♪きゃわいくちぇごめ~んにぇ!!!」」 どうやら良くしてくれた事で調子に乗ったみたいだ。 野良として街で生きる生物にあるまじき警戒心の無さだが、それがゆっくりがゆっくりたる所以であるとも言える。 「でもなぁ。野良を飼うなんて話、聞いた事ないぞ?しかもなんか図々しいし・・・」 「きにしないでください。じょうしきにとらわれてはいけませんよ! それにわたしがきちんとしつけをするのでだいじょうぶです。 それでもむりだったならしかたがないのでさよならしましょう」 「最近そればっかりだな、お前。そうは言うが世の中渡っていくなら常識も大事だぞ? ・・・まあいいや。俺もゆっくりの事はよく分からないし、お前がそこまで言うなら任せるよ」 「ありがとうございます!まかせてください!」 仕方がないといった様子で渋々許可を出す青年。 さなえに感謝されるのはまんざらでもないが、どうも嫌な予感しかしない。 (確かあいつがゆっくりの事について詳しかったはずだ。・・・一応来て貰っとくか) 何か取り返しの付かない事が起きる前に、打てる手は打っておくべきだ。 青年は予防策として、友人に電話をかけるべく部屋を出ていった。 「しゃなえちゃちにはきょれきゃりゃきゃわいいれーみゅをかうけんりをあげりゅよ!!」 「きょれきゃらもまりしゃたちをゆっくちしゃしぇちぇね!ぐじゅはきりゃいだよ!」 「ええ。これからはさなえやおにいさんといっしょに、このおうちでゆっくりしましょうね。 ・・・ただし!ちゃんとかいゆっくりにふさわしいきょーいくはうけてもらいます!!」 「「ゆゆっ!!?」」 「あなたたちがすきかってすることで、おにいさんがゆっくりできなくなるなんてことはあってはなりません! なので、あなたたちにはさなえのきょーいくをうけて、りっぱなかいゆっくりになってもらいます!!」 人間のいなくなった部屋でさなえが意気込みながら告げる。 一方、言われた方の赤ゆたちは“何言ってんだ?コイツ”といった具合でさなえを見ていた。 「にゃにいっちぇりゅにょ?れーみゅめんどくちゃいこちょはちたくにゃいよ!!」 「しょんにゃこちょちにゃくちぇもまりしゃはとっちぇもゆっくちしちぇりゅよ! にんげんがゆっくちできにゃくたっちぇしょんにゃこちょにゃんかちらにゃいよ!」 「しょんにゃこちょもわかりゃにゃいにょ?ばかにゃにょ?ちにゅにょ?」 「「けらけらけらけら!!!」」 明らかに下に見られている。完全に馬鹿にされていた。 とても命の恩人に対する態度とは思えない。が、それにもかかわらずさなえは相変わらずニコニコと笑っている。 「ちなみにできないならでていってもらいますからね」 「ゆっ!?にゃにいっちぇりゅにょ!!?」 そして太陽のように眩しい笑顔のまま、とんでもない事を言い放った。 これに驚いたのは赤ゆたちだ。予想外のさなえの返答に思わず目を見開く。 「どういうきょちょにゃにょ!?しょんにゃこちょちちゃりゃれーみゅちんじゃうよ!!」 「まりしゃたちは“こじ”にゃんだよ!きゃわいしょうにゃんだよ!!」 赤ゆたちは必死に自分の不幸な部分をアピールする。しかし笑顔は崩れない。 「ええ。だからちゃんすをあげます。こちらもさすがにげすといっしょにくらしたくはありません。 さなえにとってのいちばんは、あなたたちではなくおにいさんですから。 でもしんぱいすることはありません。がんばって、ちゃんとりっぱなかいゆっくりになればいいだけです。 なにもせずにすきかってしながらくらせるとおもうなんて、それこそばかなの?しぬの?ですよ」 「・・・じゃあできにゃかっちゃりゃどうしゅるにょ?」 「ここからでていってもらいます」 「しょれじゃゆっくちできにゃいよ?まりしゃたちしんじゃう・・・」 「そうですね。そうなったらおとなしく、あきらめてしんでください」 「しょんにゃぁ!!れーみゅちゃちがきゃわいしょうだちょおみょわにゃいにょ!!?」 「ええ、おもってますよ。だからちゃんすをあげます。がんばってくださいね!!」 ダメだ。どれだけ言ってもまったく同情を誘えない。 笑顔を全く崩さずに答え続けるさなえを見て、ようやく赤ゆたちは彼女が本気だという事に気が付いた。 それもそのはず。彼女は本気で同情した上でこの条件を提示しているのだから。 これから生きていく上で、みんなが不幸にならない最善策を提示しただけである。 さなえにとって、これは完全に良かれと思ってやっている事なのだ。故に妥協する事もありえない。 我侭で押し切る事しか知らない赤ゆたちに、そんなさなえがどうにかできるわけがなかった。 「・・・きょれきゃらがんばりましゅ。だきゃりゃしゅちぇにゃいでくだしゃい・・・」 「まりしゃたちもうちゅりゃいにょはいやにゃんでしゅ。だきゃりゃ、よろちきゅおにぇがいちましゅ・・・」 「ようやくわかってくれたんですね!!じゃあ、これからがんばりましょうね!!」 「「はいぃ・・・・・・」」 よって、赤ゆたちはこう答えるしかない。 勉強など冗談ではなかったが、手を抜いてこのさなえがなあなあで済ませるとは到底思えない。 それでもあの過酷な野良生活よりは、と考えたのだ。あんな生活にはもう二度と戻りたくない。 「来るのは明後日か・・・まあ仕方ないな。おっ、随分大人しくなったな。何かしたのか?」 「いいえ。わたしのせいいがつうじただけですよ。 こうなったら、さなえはこのこたちにきんばっじをとらせてみせます!みててください!!」 「いやー、良くは知らないけど野良の子じゃ無理じゃないか?お前だってそれなりに苦労したんだろうに」 「むずかしいけどやってみせます!やるまえからむりだなんて、そんなじょうしきにとらわれてはいけません! だめですよ、そんなにかんたんにやるまえからあきらめちゃ。もっとせっきょくてきにがんばらないと!!」 (絶対またなにか変な影響受けてるな。一体どこから・・・まあいいか。やる気はあるみたいだし) 青年は楽しそうにやる気を出しているさなえを見て、何も言わずに微笑んだ。 彼は気付かない。後ろの方でさなえを見ながら泣きそうな顔をしている二匹の赤ゆに・・・ ―――――――――― 夜が明けて、青年が仕事に出た後のリビング。 身なりも綺麗になって、ぷっくりと膨れた二匹の赤ゆが、さなえの前に並んでいた。 「どうやらきのうはよくねむれたようですね。げんきなようでさなえもひとあんしんです!」 「ちょっちぇもあまあましゃんおいちかっちゃよ!!」 「あっちゃきゃいとこりょでしゅーやしゅーやできちぇとっちぇもちあわちぇーっだったよ!!」 昨日までの生活が嘘のように感じる待遇の良さに思わずはしゃぐ二匹。 そんな二匹を見て、さなえも満足そうに微笑んでいる。 「じゃあ、さっそくおべんきょうをはじめましょうね!」 「「ゆっ!!?」」 「あれ~?どうしたんですか?もしかしてわすれてたんですか?」 「しょ、しょんにゃこちょないよ!れーみゅおべんきょーしゅりゅよ!!」 「まりしゃもだよ!!だきゃらしゅてにゃいでにぇ!!」 誰でもわかる、バレバレな嘘である。 が、さなえは何も言わなかった。やる気を見せてくれさえするのなら、そんなものは些細な事だから。 「じゃあ、これからかずのけいさんをしてもらいます! まずはかんたんに、このおかねさんをかぞえてみてください!」 さなえが傍にあった箱をひっくり返すと、そこから数十枚の一円玉が軽い音を立てて流れ落ちる。 お金が何なのか知らなかった赤ゆたちには、ただの石のようなものにしか見えない。 「えーちょ、えーちょ。いち、に、しゃん・・・たくしゃん!!」 「ゆわぁぁ!まりちゃしゅごーい!!しゃんまでかじょえりゃれりゅんだにぇ!!」 「とうじぇんだよ!まりしゃはてんしゃい「だめです!!」ゆぴぃ!!」 「ま、まりちゃ!!?」 「ゆぎゅ・・・いちゃいよ、にゃんでぇ・・・?」 自慢げにしていたまりさを襲ったのは、20センチの小さな定規。 そして、それを咥えているのは眉間に皺を寄せて怒った顔をしているさなえだった。 「まったくかぞえれてないじゃないですか!さんくらいまでならだれでもかぞえられてとうぜんです! きんばっじさんならさいていでも“せん”まではかぞえられないと!!」 「し、しぇん・・・?にゃんにゃにょ、しょれ?れーみゅわきゃんにゃいよ!!」 「だからおべんきょうするんです!つぎからはちゃんとおしえますけど、 もしおぼえられないならこのじょうぎさんでぱちーん!ってやりますからね!!」 「ゆんやぁぁぁ!!ぱちーんしゃんやぢゃぁぁぁ!!ゆっきゅちできにゃいぃぃぃ!!」 先ほどまでの上機嫌が嘘のように泣き叫び出す赤れいむ。 しかし、そんなれいむをさなえはただ厳しい目で見つめていた。 「ど、どーちて・・・どーちてこんにゃこちょしなきゃいけにゃいにょ・・・?」 ようやく復活したまりさが、さなえに問いかける。 元々まったく力を入れて叩いてはいないので、むしろ立ち直るのが遅いくらいだ。 「しょーぢゃよ!!こりぇちょきんばっちしゃんにょにゃにがかんけーありゅにょ!?」 れいむも便乗して問いかける。どうやらご立腹のようだ。 「・・・きんばっじさんはおかね、つまりきゃっしゅさんをつかうことができます」 「ゆっ!?きゃっしゅしゃん?」 「そうです。にんげんさんのおみせにいけば、きゃっしゅさんといろんなものがこうかんできるんです。 とってもゆっくりできるおもちゃやほっぺたがおちそうなあまあまさんでもです」 「ゆわぁぁ・・・きゃっしゅしゃんはゆっきゅちできりゅんだにぇ!!」 「だったらしょのきゃっしゅしゃんちょーらいにぇ!しょしたりゃ「ただし!」ゆっ!?」 また話を聞かずに騒ぎ出そうとした赤ゆたちに、釘を刺すように大きめの声を出す。 「それはきゃっしゅさんがどういうものかをちゃんとしっていればのことです! ふだんおにいさんからもらえるきゃっしゅさんはこのきんばっじさんにはいってます!」 そう言って、さなえは自分の頭についている金の飾りを二匹に見せる。 「これのなかに、おにいさんがきゃっしゅさんをいれてくれます。 そしてこれをみせればおみせのひとはこのなかにはいってるきゃっしゅさんとこうかんしてくれます」 金バッジには、内蔵されたチップによる持ち主の認証、身分証明、GPS機能の他に、 おサイフケータイのような機能も付けられている。 飼い主が好きな額をチャージする事でゆっくりがそれを自由に使える仕組みだ。 現在ではほとんどの店でこれが使えるようになっており、人々の理解も十分に得ている。 もしこれを見て、恩恵を得ようとした野良ゆがバッジを奪い取っても、 認証機能によってロックがかかるので使えず、その上すぐバレるので問題はない。 むしろ使おうとしたその場でお縄を頂戴して情状酌量無しの極刑判決が下される事だろう。 まさに金バッジ自体がゆっくりにとって万能ツールである。 「これをつかうにはおかね、つまりきゃっしゅさんがなんなのかをしっていないといけません。 そしてそれにはたくさんのかずをかぞえられなければはなしになりません! きんばっじさんのしけんにもかずのけいさんはでてきます!りかいできましたか?」 「「ゆ・・・ゆっきゅちりきゃい・・・・・・もういっきゃいいっちぇくだしゃい・・・」」 当然、これらの流すような説明を赤ゆが理解できるわけもない。 それくらいはさなえもわかっていたので何度でも説明するつもりであった。 「とにかく!わたしがいうことには、すべていみがあります! わかったらこれからは、なんでときかずにいっしょうけんめいやってください。じかんのむだですから」 「「ゆっくちりきゃいちまちた!!」」 今度は良い返事を返す二匹。 正直言ってさなえの話の内容はよく分からなかった。 が、金バッジがあればきゃっしゅさんが貰えるという事だけは分かった。 そしてきゃっしゅさんがあれば何でも好きな物がもらえる。その一点のみが、二匹のやる気を揺さぶったのだ。 まあ、そういう間違った考えを持っていたうちはさなえに叩かれまくったので、すぐに認識を改めたのだが。 「ただいまー。元気で・・・どうしたんだ?これ」 仕事から帰ってきた青年を迎えたのは 可哀相なものを見るような目をしたさなえと、全身を真っ赤にした赤ゆたちだった。 「あ、おにいさん。おかえりなさい!ゆっくりしていってくださいね!!! このこたちにおべんきょうをおしえてたんですが、あんまり・・・」 「いちゃいぃ・・・いちゃいよぉ・・・・・・」 「ゆんやぁぁ・・もうやぢゃ・・・じょうぎしゃんきょわいよぉ・・・・・・」 結局その日は数は三よりも沢山ある、と言う事しか解ってくれなかったそうな。 お金に関する間違った認識も改める事ができたのだが、それにしたってあまりに覚えが悪い。 自分のときの事を思い出したさなえは、かなり残念そうに溜息をついた。 「まあまあ。初日から何時間もするものじゃないぞ?もう少し労ってあげないと」 「ゆ~、そうでしょうか?でもふつうのやりかたじゃ・・・。 もっといいほうほうをかんがえないと!」 「ゆっきゅちしゃしぇちぇよぉ・・・・・・」 「まりしゃもうかじゅしゃんかじょえたくにゃい・・・」 「とにかくご飯にしよう。まだシュークリームが残ってたはずだけど・・・」 「ゆ?ゆわーい!しゅーきゅりーみゅしゃんちゃべちゃ~い!!」 「にんげんしゃんのあみゃあみゃはおいちくちぇゆっくちできりゅよにぇ!!」 食事と聞いて、即座に元気になって催促し始める赤ゆたち。現金なものである。 どうやら昨日の食事のあまりの美味さに味を占めてしまったようだ。 「・・・では、ごはんのときのまなーのおべんきょうです!!!」 「「ゆっ、ゆぇぇぇぇぇ!!?どおちちぇぇぇぇ!!?」」 「きたないたべかたはきんばっじさんとしてゆっくりできません! しゅーくりーむさんをつかっておべんきょうです!!」 「「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!!」」 果たして、赤ゆっくりたちに安息の時はあるのだろうか? ―――――――――― 夜が明けた。 あれからも色々な“お勉強”をさせられ、心身ともに擦り切れた赤ゆたち。 そんな彼らにとって、柔らかい床で眠れる時間は唯一と言っていいほどにゆっくりできる時間であった。 実際の所、赤ゆっくりたちは今の生活に(さなえのお勉強を除けば)この上なく満足していた。 地面はいつもふかふかで、跳ねても這いずっても汚れないし痛くない。 おそとはあんなに寒かったのに、おうちの中はいつもぽっかぽかで冷たい風も吹かなかった。 ご飯だってお勉強がゆっくりできないだけでとっても美味しいし、決まったときに出てきて食いっぱぐれる事もない。 狩りと言う名のゴミ漁りもしなくてすむし、人間や野良犬さんに殺される心配もない。 大きなすぃーから出てくるにがにがのけむりさんだって、ここにはない。 さなえのお勉強から開放されてゆっくり眠っている間、ここは間違いなくゆっくりプレイスだった。 そう。眠っている間だけは――― 「おきてください、おちびちゃん!あさですよ!!」 「ゅ?・・・にゃんにゃにょ?れーみゅまぢゃねみゅいよ・・・」 「ゆ~ん。にゃんだかまだかりゃだがおみょいよ・・・」 突然、自分たちに語りかける大きな声。勿論さなえのものだ。 声が大きく感じたのはれいむたちから近い所で話しているせいで、実際は部屋に響く事もない小さな声だった。 「ねむいのはとうぜんですが、もうおきるじかんです! きんばっじさんなら、かいぬしさんよりもはやくおきておこしてあげるくらいのよゆうをもちましょう!!」 「やぢゃよ・・・みゃぢゃれーみゅおにぇみゅにゃんだきゃりゃ・・・」 「きのうにょおべんきょうでちゅかれてりゅんだよ・・・ ゆっくちふかふかしゃんでしゅーやしゅーやしゃしぇちぇね・・・」 が、二匹は一向に起きる気配がない。 赤まりさの言う通り、まだ昨日の過酷な“お勉強”の疲れが残っているのだろう。 まあそんな事、さなえには関係がないのだけど。 「・・・おそとはまださむいでしょうね~」 まだ薄暗い、窓の向こうを見ながらポツリと呟く。 「れーみゅゆっきゅりちないでおきちゃよ!!」 「ゆっ!まりちゃじぇんじぇんちゅかれちぇないかりゃにぇ!!」 その瞬間、赤ゆたちが飛び起きた。もはや条件反射に近い。 度重なる躾(調教)の結果、たった一日でさなえの脅しに反応するようになってしまったようだ。 「いまはつらいでしょうけど、そのうちだいじょうぶになります。がんばりましょうね!!」 「「ゆっきゅちわきゃりまちた・・・・・・」」 すべては、捨てられないため。ただそれだけのために今日も赤ゆたちはお勉強に励む。 外では朝から雑音を撒き散らしていた饅頭が、ちょうど良い声を上げて潰されるところであった。 「さあ。きょうはおにいさんもおやすみなので、おべんきょうをみてもらいましょう!」 「ゆっきゅちがんばりゅよ!!」 「にんげんしゃんもまりしゃがゆっくちがんばってりゅときょりょみちぇちぇにぇ!!」 「あー。午後から友達がここに来るから手早く済ませてくれな」 朝、太陽がそこそこ昇った頃。部屋にはやる気を見せるゆっくり三匹に、どうでも良さそうな人間が一人いる。 意気込むのもそこそこに、さなえは今日の予定を発表した。 「きょうはまず、のらゆっくりからにげるためにうんどうしてもらいます!!」 「ゆっ!?うんどーできりゅにょ?」 「ゆわ~い!!ぴょんぴょんしゅりゅのはゆっくちできりゅよ!!!」 初めて、とも言っていいまともな内容に、赤ゆたちは喜び飛び跳ねる。 「おそとにはれいぱーやげすゆっくりがたくさんいます そして・・・かなしいことですが、そのゆっくりたちはかいゆっくりとなかよくしてくれません。 なのでにげるためにゆっくりできるからだがひつようになります!とっくんっしましょう!!」 「ゆゅぅ・・・れいぱーはゆっきゅりできにゃいよ・・・」 「げしゅにゃんかにまりしゃまけにゃいよ!!」 「だめですよ。けんかはいけません!のらゆっくりとははなすこともしちゃいけませんよ。 ただ、ゆっくりできるからだはおそわれたときににげるためにひつようなのです。わかりましたか?」 「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!」」 (へぇ・・・なかなかまともに教えられるんだな。) 思ったよりもまともな授業風景に安堵する青年。 彼が昨日のお勉強の様子を見れば、どう思っただろうか。 そんな風に和やかな雰囲気で進む中 「ではまずさいしょに、このおおきなじょうぎさんでしこたまたたいて「おい待て!!」・・・ゆ?」 急に背後から60センチはあろう巨大な物差しを取り出したさなえに、青年は思わず待ったをかけてしまった。 さなえは心底不思議そうな顔をしている。どうやら本当に何故止められたのかがわからないようだ。 ちなみに赤ゆっくりたちはあまりの物差しの大きさと、昨日を痛さを思い出してガタガタ震えていた。 「ゆ?じゃないだろ。そんな物で叩いたら間違いなく潰れるぞ!! っていうかそれ、どこから持ってきた!何でそんなに軽々と咥え上げれるんだ!?」 「・・・さあ?まあいいじゃないですか。おにいさんはじょうしきにとらわれすぎです。 ふしぎなことのひとつやふたつあっても、きっとゆっくりできますよ!!」 「百歩譲って見逃しても、それで叩くってどういうことだ?確実に痛いじゃ済まないぞ!」 「しにそうなくらいのきびしいしゅぎょうをすればとってもつよくなれるって、ごほんにかいてました! なのでためしてみようとおもいます!」 「オイィィィ!!それ漫画だろ!実際にそんなことすると死ぬんだよ!お前馬鹿だろ!死ぬの!!」 「ゆあぁぁぁ・・・あんにゃにょでぱちーんしゃれちゃりゃれーみゅちんじゃうよぉ・・・」 「たしゅけちぇ!ころしゃにゃいで!まりちゃいいきょでしゅきゃらぁ!ゆんやぁぁぁ!!」 物差しを得意げに振りかぶるさなえ。それを止める青年に泣き叫ぶゆっくり。 正に混沌とした状況である。収まるにはしばらく時間がかかりそうだ。 ・ ・ ・ 「とにかく、物差しはダメだ。俺も手伝ってあげるからもっとまともなやつを考えなさい」 「わかりました!ほかにもまだかんがえてることはありますから!」 ようやくやる気満々のさなえを宥めて、赤ゆたちが落ち着いたのは十分後の事である。 震えていた二匹は、さなえが物差しを手放す事でようやく安心したようだ。 「うーん。じゃあ・・・」 (頼むからまともなやつを・・・) 果たして青年の願いは届いたのか。 「おにいさんにおもいっきりなげてもらいましょう! それならどれくらいのはやさならにげられるのかがわかるはずです!!」 (あぁ・・・) 駄目だった。 「おにいさんもてつだってくれるっていってますし、これならだいじょうぶです!!」 (んなわけねーだろ!なんだよ、その自慢げな顔!!) 「おしょらをちょべりゅにょ?ちゃのちしょー!!」 「まりしゃがしゃきにやりちゃいよ!はやきゅしちぇにぇ!!」 「いけませんよ。これはとっくんっなんですから。まじめにやりましょうね」 赤ゆっくりたちは何も知らずに胸を躍らせている。 これから何をされるのかを聞けば、きっとこんなに呑気ではいられないだろうに。 「じゃあおにいさんおねがいしますね、よういはいいですか?」 「良くないに決まってるだろうが!!」 「「ゆっ!!?」」 「ど、どうじででずが!?さなえがいっじょうげんめいがんがえだのにぃ!!」 「どうしてもこうしてもねーよ! 死ぬんだよ。わかるか? 赤ゆっくりは普通、人間に全力で投げ飛ばされたら地面に激突した衝撃で死ぬの!! どういう神経・・・その『わけがわかりません』って顔をやめろ!!」 「ど、どういうきょちょにゃにょ!?れーみゅきょろしゃれちゃうにょ!?」 「ゆんやぁぁぁ!!!やめちぇにぇにんげんしゃん!まりしゃにゃにもわりゅいこちょしちぇにゃいよ!!」 ようやく自分達がされそうになっていた事への危険性に気付いた二匹。 当然怯え始めるが、構うと話が進まないので青年はあえて無視した。 「第一、さっきの物差しよりも明らかに危険度が増してるだろ! ・・・今度は何を見て真似しようとした?」 「ぶたさんが“とべないぶたはただのぶただ”っていってたから ゆっくりがおそらをとべればきっとかっこいいなあって・・・」 (・・・この子は多分、型破りと非常識の意味を履き違えてるなぁ・・・・・・) 結局、これ以上の勘違いは流石にマズイと思った青年は、さなえの申し出を断固拒否した。 そしてまたもや、喚く赤ゆを落ち着かせるのに時間がかかる。 やっとの思いで全てを終わらせた頃には、もう真っ昼間だった。 「けっきょくなんにもできませんでしたね」 「危険な提案ばっかり出すからだろ・・・お前実はこいつらに死んでほしいんじゃないのか?」 「なんてひどいこというんですか!!ふだんおんこうなさなえもおこりますよ!!」 「・・・はぁ、もういいや。ちょうど飯時だし、昼御飯にしよう」 「「ゆっきゅちわきゃっちゃよ・・・」」 もはや赤ゆも怯えすぎで疲れ果てて、ご飯を喜ぶ気力すら残っていない。 さっさと済ませてしまおうと冷蔵庫を覗き込んだ青年であったが、中を見た瞬間に顔をしかめる。 「あいつらの分のご飯がないな・・・あ~、そういえば昨日買出しに行くの忘れてた。 あいつが来たときのお茶請けはやれないし、どうしようか・・・」 青年はあーでもないこーでもないと一通り悩んだが、 その内、思い出したように冷蔵庫の中にあるパックを取り出した。 「よし、これでいいや。ご飯だぞー!!」 「「ゆわ~い!ゆっきゅちできりゅごはんしゃんだよ!!」」 ほんの少しの間に、どうやら精神的な疲れからは回復したらしい。 二匹の赤ゆはご飯と聞いて跳ね回るようにやってきた。 とりあえず二匹にはお預けを食らわせて、後から入って来たさなえに話しかける。 「実はお前らの分のご飯を買うのをうっかり忘れててな。 ・・・悪いけどこれで我慢してくれないか?前にこれ、好きだって言ってただろ」 そう言って青年が差し出したのは、小さな皿に盛られているドロッとした白い塊。 「わぁ、よーぐるとさんですね!さなえこれだいすきです! いただきまーす!・・・ちょっとすっぱくて、あまくてしあわせです~!」 一口食べて、幸せそうに微笑むさなえ。どうやら上手くいったようだ。 これなら赤ゆたちにもあげて良さそうだ。 「ちあわちぇ~にゃにょ!?れーみゅにもちょーらい!れーみゅにもちょーらいにぇ!!」 「よーぐるちょしゃんっちぇいうにょ?あみゃあみゃしゃんにゃらまりしゃにちょーらいにぇ!」 「あー、はいはい。お前たちの分はこれな。『ピンポーン』お、来たか。じゃあちゃんと食べてるんだぞ」 皿を並べ終わったところで、丁度インターホンが鳴る。 二匹に食べておくように言い残すと、来客を迎えに行くために青年は出て行ってしまった。 一方の赤ゆたちは始めて見る食べ物に興味津津だ。 先程さなえが食べたのを見れば、とってもゆっくりしたあまあまさんだという事は十分わかる。 さなえが見ているので決してかぶりつく様な事はせず、しかし逸る気持ちを抑えきれずに口をつけた。 「「いっちゃっぢゃっきま~しゅ!!む~ちゃむ~ちゃ・・・ゆぴゅっ!!?」」 そして、口に入れて味わった瞬間に思いっきり噴き出した。 「お、おちびちゃんたちどうしたんですか!?おにいさーん!おにいさーーん!!」 「どうした、さなえ?・・・うわ、本当にどうしたんだ!?」 「こんにちは、さなえちゃ・・ん・・・随分と激しい出迎えだね」 さなえの声を聴いて部屋に戻ってきた青年と友人が見たのは、転がる赤ゆたちだった。 床は噴き出したヨーグルトでグチャグチャになっていて、二匹は悲鳴をあげている。 「ゆぴぃぃぃ!!にゃんでしゅっぴゃいにょぉぉぉ!!?ゆっきゅちできにゃいぃぃぃ!!」 「ゆう゛ぇぇ゛ぇ゛!!・・・にんげんしゃん!きょれどきゅはいっちぇりゅ!」 「えぇ?・・・おっかしいな。さなえと同じものあげたのに」 「お前、なにあげたんだよ?この様子は尋常じゃないぞ」 「スーパーで買ってきたヨーグルト。砂糖が入ってないやつな」 「はぁ!?何やってるんだよ、そんなものゆっくりにあげたら死ぬぞ!」 「マジで?でもさなえは大丈夫だよな?」 「はい。ちょっとすっぱかったですけどあまくておいしかったです・・・」 「だよな。どういうことだ・・・?」 首を捻る一同。一方、わきで転がっていた赤ゆたちは今や痙攣し始めていた。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「もっちょ・・あみゃあみゃしゃん・・・ちゃべ・・・ちゃ・・・・・・」 「なあ、死にかけてるぞ。放っておいていいのか?」 「おわぁ!忘れてた!!ジュース、は切らしてるから・・・もう砂糖水でいいか!!」 「お、おちびちゃんゆっくりしてください!あ、だめです!えいえんにゆっくりしちゃだめです!いまのなし!!」 ・ ・ ・ 「で、最近さなえちゃんの様子がおかしいと・・・ っていうか野良ゆっくりを拾って~って話で僕を呼んだんじゃなかったのか?」 「ああ。それはどうとでもなりそうな気がしてきたから、もういいんだ。 それよりもさなえの方が気になるんだ。一体どうなってるのかと思ってな」 数分後。そこには、テーブルを挟んで話し込む二人の青年の姿が。 なんとか一命を取りとめた二匹は部屋の隅で寝込んでおり、さなえが付きっきりで看ている。 そして青年の友人への相談事とは、正にそのさなえの事であった。 「最近どうも様子がおかしいんだ。 少し普通とはズレた事をしようとしたり、たまに他のゆっくりに辛辣になったり。 今日も特訓とかわけの分からない事言い出して、あいつらを殺すところだったんだぞ」 「おまけに普通のゆっくりじゃ食べられないようなものを喜んで食べる、か・・・確かにおかしいな」 「え、ゆっくりってヨーグルト食べねーの?」 「食べねーよ。お前自分が飼ってるものの事ぐらいちゃんと知っておいたほうがいいぞ?」 「確かに他のゆっくりはあまあまってばかり言ってるから、 少しおかしいとは思ってたんだけど・・・喜んでるし、別にいいかなって」 「やれやれだな・・・」 青年は全く悪びれる様子がない。 そんな様子を見て、更に友人は呆れたような顔で呟く。 「そういえば、ヨーグルト食べたがったのも少しおかしくなった頃からだな。なにか普通とは違う物が食べたいって。 それに前はもっと大人しい、控えめな子だったんだが・・・しかも日に日にエスカレートしてる気がする」 「そうなのか?今見る限りじゃ普通に見えるけど・・・ ま、わざわざ僕を呼ぶくらいなんだ。とりあえずできる限りは力にはなるさ」 「助かるよ。で、どうすればいいんだろう?」 真剣な面持ちで青年は友人に詰め寄る。 しかし友人は彼の必死さもどこ吹く風で、少し考え込んだ後にさらりと言い放った。 「別にいいんじゃないか?このままで」 「なっ・・・人が真剣に相談してるのに、どういう!」 「まあまあ、聞けって。・・・お前、今の生活に何か不満があるのか?」 「・・・いや。特にはないな。さなえは俺に対してはいつも通りだし」 「そうか。じゃあ、さなえちゃんの思いつきであの野良チビどもが死んだら、お前は嫌なのか?」 「・・・そういえば、別にどうでもいいな。元はと言えばあいつが言い出して拾った野良だし」 「だろ?今のこの状況。お前にとって何か不都合があるのか?」 「・・・・・・ない、な。 そうだ、何もない」 「さなえちゃんも別にどこか具合が悪いってわけでもないんだ。 何か大きな問題が起こらない限りは、個性として認めてやるのが飼い主ってもんじゃないの?」 「お前・・・たまにはいいこと言うな」 友人の言葉で、青年はまるで憑き物が落ちたように晴れやかな顔になった。 先ほどまでの真剣な面持ちが嘘のようだ。 「まあさなえちゃんがそうなった原因の方は、悪いが僕には解らない。 そもそも希少種はゆっくりの中でも特に解明されてない部分が多くてね。 いくら僕が加工所勤務でも、不思議饅頭相手じゃ解らない事なんぞ山ほどあるんだよ」 「いや、ありがとう。とりあえずはこのままで行こうと思う。 ・・・でも、もしこのままもっと酷くなってそこらへんに迷惑かけるようになったら!」 「そんなときこそ叱れよ。ちゃんと言い聞かせてやれば聞いてくれるさ。 なんせ・・・さなえちゃーん!」 「はい!おともだちさん、なんのようですか?」 赤ゆたちの様子をずっと見ていたさなえは、友人に呼ばれて控えめに跳ねて来た。 「お兄さんのこと、好きかい?」 「・・・? はい!とってもだいすきです!!」 急な質問に少し首(?)を傾げるが、すぐに満面の笑顔で元気よく答えた。 「そうか。じゃあ僕は好きかい?」 「はい!おにいさんのはんぶんくらいすきです!!」 こっちは即答だ。 「ハッハッハ!そっかー。チクショー!!」 相変わらず笑顔のまま元気良く話すさなえの言葉に、少しヤケクソ気味になる友人。 が、すぐに青年に向き直って少しだけニヤリと笑った。 「な?これだけ愛されてるんだ。少しくらいは信じてやれよ」 「・・・ああ!」 「なんのおはなしですか?」 「いや、別に。お前は誰が好きなんだろうなって話をしてただけだよ」 「なにいってるんですか。さなえのいちばんはおにいさんです!!」 「お前らイチャつくなら余所でやれって。・・・あ、ここお前の家か」 明るく笑いあう二人と一匹。 「ゆ・・・よーぐりゅちょしゃん・・・きょにゃいでぇ・・・・・・」 「ゆんやぁ・・・まりしゃをもっちょ・・ゆっきゅちしゃしぇちぇ・・・」 隅っこでうなされている二匹の赤ゆっくりの事は、完全に忘れていた。 ―――――――――― (まあそれはともかく一つだけ、嘘ついたんだけどな) 青年達と笑いあいながら、友人の青年は心の中で舌を出していた。 実はさなえに関して何も解らない。というのは真っ赤な嘘である。 さなえがおかしくなったのにはちゃんとした理由があった。 ミラクルフルーツ病。それが現在、さなえがかかっている病気の名だ。 そう。さなえは気付かぬ内に病にかかっていたのだ。 ミラクルフルーツ病とは最近になって加工所の研究部によって発見された、さなえ種特有の精神病である。 かかる原因はいまだに不明で、症状は以下のとおり。 ・普通とは違った行動を取りたがる。が、常識を忘れたわけではないので(本人にとって)肝心な所では踏みとどまる。 ・体内にミラクリンが多量に分泌され、餡子に含まれるようになる。 これによって過度の酸味も多量の甘味と適度な酸味を感じる程度になり、それを好むようになる。 ・一部の親しい存在以外には偶に毒を吐き、辛辣になり、厳しくなる。 ・性格が一部変わり、なにかが吹っ切れたように大胆になる。ただし、やる事にあくまでも悪気はない。 ざっと、この程度だろう。 見てわかっただろうが、かかったところで体調に変化が出るわけでもなく、致命的なものもない。 つまり、この病気自体が大した事ないのだ。 まだ見つかって日が浅い事から一般にはあまり知られておらず、 彼も加工所内部で話が回ってきたのを偶然聞いただけなのだが、少し聞いただけでも害がないことくらいは十分解る。 少なくとも、同じくさなえ種特有の、飼い、野良、善良、でいぶ。 種類に拘らず執拗にれいむ種を襲う『ゆるさなえ』になってしまうよりは遥かにマシだ。 それに治す方法も、もう見つかっている。 しかも特効効果があり、とても簡単なものだ。 単に親しい者が 「お前それはちょっと間違ってる。正直見ててかなり痛いぞ」 と、言ってやれば、それだけでしばらく落ち込んだ後に治るらしい。 きっと現実を見つめなおす時間が必要なのだろう。 ともかく危険性はほとんど無いしそうである以上急ぐ必要もない。 それに悪化してもいざとなれば青年が目を覚まさせるだろうと思ったので、友人はあえて何も教えなかった。 別にさなえや青年が嫌いで意地悪をしていたわけではないのだ。 それに、なによりも――― 「ゅ・・・れーみゅにゃにちちぇちゃにょ・・・?」 「まりちゃゆっきゅちおきちゃよ・・・おにゃかしゅいちゃ・・・」 「おちびちゃん!おきたんですね!!それがとっくんっのつづきをしましょう!!」 「ゆっ!?れーみゅよーぐりゅちょしゃんちゃべちぇえれえれしちゃっちゃんぢゃよ!!」 「まりしゃおにゃかしゅいちゃよ!ちゃんちょあみゃあみゃしゃんたべしゃしぇちぇにぇ!!」 「だめです!よーぐるとさんもたべられないなんて、きんばっじさんにはまだまだとおいですね!! これからはもっときびしくおべんきょうをおしえますから、がんばってくださいね!!」 「「ゆんやぁぁぁ!!みょうきんばっちしゃんいりゃにゃいきゃりゃゆっくちしゃしぇちぇぇぇぇ!!!」」 (やべぇ・・・これすっごく面白いわ・・・) 一番の理由は、単なる面白いもの見たさであった。 別に彼は野良チビがどうなろうと、どうでもいい。 さなえちゃんの違う一面が見れてむしろ楽しいし、 青年もなにかが吹っ切れたようなので万々歳だ。 「・・・とりあえず、しばらくさなえちゃんの好きなようにさせてみた方がいいんじゃない?」 「そうだなぁ。・・・まああいつも楽しそうだし、別にいいか」 しばらくこいつの家に通って見物しよう。そんな事を考えながら、友人の男は内心ほくそ笑んだ。 はてさて、これから彼らがどうなるのか。 さなえは無事にフルーツ(笑)から脱却する事ができるのか? 青年はこのまま平凡な生活を送る事ができるのか? 友人に対するさなえの好感度は少しでも上がる事はあるのか? そして赤ゆっくりたちはさなえが満足する結果を出し、 家を追い出されずに見事ゆっくりプレイスを手に入れることができるのか? すべては誰にも解らない。まさに神のみぞ知る、と言ったところである。 「だれきゃ!かわいしょうにゃでいびゅちゃちをかっちぇぐだじゃい! ごにょままぢゃちょぢんじゃうんでじゅ!!・・・どぼぢぢぇぎょんにゃきょぢょにぃ・・・」 「まりしゃたちはばっちしゃんをとりゅためにおべんきょーちてまちた!! かちこいんでしゅ!!がんばりまじゅがりゃゆっぐぢしゃしぇちぇくだじゃい!!!」 「「ゆんやぁぁぁぁ!!もうやぢゃ!おしょちょはゆっきゅちできにゃいよぉぉぉ!!!」」 おしまい ・あとがき 書いてて、金バッジ便利すぎじゃね?と思いました。 でも僕の中の設定では金バッジ試験は超難関なので、これくらい優遇しても罰は当たらないかなーって感じです。 では、最後までご覧頂き本当にありがとうございました! また別の機会に! 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~ ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい ふたば系ゆっくりいじめ 659 よくあるお話 ふたば系ゆっくりいじめ 674 かわいいゆっくりが欲しいなら ふたば系ゆっくりいじめ 701 おうちは誰の物? ふたば系ゆっくりいじめ 789 ゆめみるれいむときゃっしゅさん ふたば系ゆっくりいじめ 790 ユクミン 前 ふたば系ゆっくりいじめ 855 ユクミン 後 小五ロリあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 飼い主が知識なさすぎてイライラする -- 2018-05-14 13 55 40 神のみぞ知るって最後に捨てられてるじゃん -- 2016-11-01 13 18 57 結局捨てられたんか笑ゴミ饅頭にはお似合いだ -- 2016-08-28 11 41 32 ↓×2いや、悪意があってやったわけじゃないだろ ってか、結局捨てられたゴミ饅頭www -- 2013-08-22 23 19 35 常識は忘れてないしすぐに治せるって書いてるだろアホどもめ -- 2013-07-31 12 34 45 さなえがゲスすぎる。他ゆを殺しかねないことを平気でやることが病気ですまされるなら、野良ゲスも病気だろうよ。 所詮餡子は餡子だな。他人の飼いゆに危害を加えたらどうするつもりなのか。これは流石に赤ゆ達がかわいそうだわ。 あとこの設定だと、金バッチゆって飼い主から離れて一人で買い物すんの?野良や基地外人間に襲われたらどうすんの? -- 2012-09-18 02 21 37 もし本当にゆっくりがいたらゲスをいい奴にして 相棒にしてみたい -- 2012-06-30 00 00 32 さなえさん・・とても・・・かわいいです・・ あのゴミは耐え切れず逃げて路頭に迷ったんじゃね? -- 2011-10-08 04 10 46 完全室内飼いにすべき。あらゆる意味で、暴力をそれと理解せずに行使する奴が一番たちがわるい。 -- 2011-01-07 15 24 29 ゲスを赤ゆの段階から矯正するのって結構珍しいからもっと見たかった -- 2010-11-23 19 53 18 さなえさんが可愛くて面白かったぜ。 確かに他の飼いゆっくりと交友する時に苦労しそうだなw -- 2010-11-17 19 00 23 面白かったです -- 2010-10-23 13 42 42 作者の言ってる優遇って 人間社会で金バッチが買い物したりするのが認められる程社会的地位を得てるって意味だと思うんだけど・・・ ゆっくりを殺すとか何の事を言ってるんだろう? -- 2010-09-09 06 12 03 そのまま外でのたれ死にしてくれ。 -- 2010-08-12 22 16 46 で、オチから察するに赤ゆ2匹は追い出されたのか -- 2010-07-26 06 28 16 まぁ、室内飼いで世間から隔絶したまま一生を終えさせるのならよかろうが、 散歩中に他人の飼いゆと遭遇➝常識にとらわれてはいけないのです!➝相手の飼いゆ死亡or重症 なんてことに、なったら困るよね? -- 2010-07-13 00 22 52 これぐらい優遇してもって・・・ ゆっくりがゆっくりを殺すかもしれない加減でいってもいいかって、この飼い主はばかなのか? 同じ金バッチゆっくりに同じ調子でやって殺してから後悔するのか? 潜在ゲスと一緒じゃんか -- 2010-04-08 04 14 30
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「ふたば系ゆっくりいじめ 966 れいぱー化の理由/コメントログ」 そーなのかー -- 2010-07-14 22 57 19 とある虫を思い出しました -- 2010-07-21 18 15 16
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このページには、ゆっくりいじめ系2251~2500までの一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 2250以前および2501以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ系2251 あるゆっくり一家のひな祭り虐性家無外 ゆっくりいじめ系2252、ゆっくりいじめ系2253は作者さんの要請により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ系2254 100スレ記念1 ゆっくりいじめ系2255 100スレ記念2 ゆっくりいじめ系2256 100スレ記念3 ゆっくりいじめ系2257 100スレ記念4 ゆっくりいじめ系2258 100スレ記念5 ゆっくりいじめ系2259 100スレ記念6 (完結) ゆっくりいじめ系2260 おかあさんのおくちのなか制家共無 ゆっくりいじめ系2261 真冬のゆっくり対策 最終話 ゆっくりいじめ系2262 悪意2 ゆっくりいじめ系2263 ゆしるだー ゆっくりいじめ系2264 向日葵制 ゆっくりいじめ系2265 俺はゆっくりが嫌いだ ゆっくりいじめ系2266 誰にでもは出来ない仕事 ゆっくりいじめ系2267 カザリガリノキ ゆっくりいじめ系2268 ぶっかけ!ぱちゅりー! ゆっくりいじめ系2269 加工場のいつもと変わらない一日 ゆっくりいじめ系2270 わんわんごあいどぉ~! ゆっくりいじめ系2271 ゆっくり喪黒福造 ゆっくりいじめ系2272 夜食でゆっくり ゆっくりいじめ系2273 耳が聞こえない僕とゆっくり ゆっくりいじめ系2274 邪悪の使い ゆっくりいじめ系2275 まんじゅうこわい ゆっくりいじめ系2276 俺の家にはこんなれいむが居やがりました制無外 ゆっくりいじめ系2278 虐待一家のその後 ゆっくりいじめ系2279 ゆっくりをグレイズさせてみた ゆっくりいじめ系2280 なんのために… ゆっくりいじめ系2281 ドスのゆっくり ゆっくりいじめ系2282 たかいたかい ゆっくりいじめ系2283 ゆっくりバスターvsうー!うー! ゆっくりいじめ系2284 ゆうかの白い花畑虐無 ゆっくりいじめ系2285 花とゆうか虐共無 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2287 ウ ゆっくりいじめ系2288 俺とゆうかとゆかりんと ゆっくりいじめ系2289 ゆっくり増えるよ! ゆっくりいじめ系2290 にわとりとゆっくり ゆっくりいじめ系2291 ありふれた話 ゆっくりいじめ系2292 夏の風物詩? ゆっくりいじめ系2293 ゆラゴンボール ゆっくりいじめ系2294は作者さんの要請により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ系2295 ゆっくりになった男2 ゆっくりいじめ系2296 ドスのいる村 ゆっくりいじめ系2297 レポート ゆっくりいじめ系2298 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編その2-1 ゆっくりいじめ系2299 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編その2-2 ゆっくりいじめ系2300 赤まりさ達の制裁編 ゆっくりいじめ系2301 食ゆ植物 ゆっくりいじめ系2302 絶対ゆっくり感 ゆっくりいじめ系2303 俺とゆうかとゆかりんと ぼりゅーむに ゆっくりいじめ系2304 とかい 「ゆっくりいじめ系2305 ライ麦畑のばりざ~三本の矢? NON、三本のたまおとあねき~は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2306 ゆっくりの旋毛 ゆっくりいじめ系2307 幻餡術師の僕 ゆっくりいじめ系2308 飼いゆっくりと鬼意山(笑)とお兄さん達と ゆっくりいじめ系2309 力を得たお兄さん ゆっくりいじめ系2310 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2311 ゆっくり並列宇宙の旅 ゆっくりいじめ系2312 ゆっくり高みの見物 ゆっくりいじめ系2313 竹取り男とゆっくり8 [ゆっくりいじめ系2314 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2315 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2316 ゆっくりとろうそく ゆっくりいじめ系2317 僕はこうして懇談しました ゆっくりいじめ系2318 火遊び ゆっくりいじめ系2319 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(前編)] ゆっくりいじめ系2320 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(後編)] ゆっくりいじめ系2321 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](前編) ゆっくりいじめ系2322 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](中編) ゆっくりいじめ系2323 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](後編) ゆっくりいじめ系2324 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](前編) ゆっくりいじめ系2325 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](中編) ゆっくりいじめ系2326 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](後編) ゆっくりいじめ系2327 永夜緩居[三匹のゲス、一人と四匹目] ゆっくりいじめ系2328 俺とゆうかとゆかりんと ぼりゅーむさん ゆっくりいじめ系2330 永夜緩居6前編-1 ゆっくりいじめ系2331 永夜緩居6前編-2 ゆっくりいじめ系2332 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-1) ゆっくりいじめ系2333 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-2) ゆっくりいじめ系2334 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-3) ゆっくりいじめ系2335 永夜緩居― EX[眠れるゆっくりは饅頭の夢を見るか] ゆっくりいじめ系2336 禁断★実験制家機 ゆっくりいじめ系2337 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2338 ゆっくり潜入するよ!! 制家共捕無 ゆっくりいじめ系2339 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2340 ゆっくり出来ない時代虐制環無 ゆっくりいじめ系2341 ゆっくり地球防衛軍 前編 その1復 ゆっくりいじめ系2342 ゆっくり地球防衛軍 前編 その2制 作者さんの要望により削除しました。by管理人 「ゆっくりいじめ系2344 ゆっくりのきんたまは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2345 真冬のゆっくり対策 6そ家 ゆっくりいじめ系2346 生きるために制性家共無 ゆっくりいじめ系2347 電脳世界虐制無外 ゆっくりいじめ系2348 ゆっくりが嫌われるまで制環家無外 ゆっくりいじめ系2349 やさぐれいむ虐無外 ゆっくりいじめ系2350 重箱の隅そ家捕無 ゆっくりいじめ系2351 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2352 赤ゆっくりとラッピング虐家共無 ゆっくりいじめ系2353 通りすがりの人間だ虐共捕無 ゆっくりいじめ系2354 ゆっくりころころ虐家無 ゆっくりいじめ系2355 れいむとカレー虐無外 ゆっくりいじめ系2356 偽りの愛情虐無 ゆっくりいじめ系2357 寒さとの戦い虐環性無外 ゆっくりいじめ系2358 作者さんの要望により削除しました 「ゆっくりいじめ系2359 ルナサ姉さん可愛いよぉハァハァは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2360 黒ゆっくり6 ゆっくりいじめ系2361 町内の動物2虐性家無外 ゆっくりいじめ系2362 ゆっくりまりさが嫌われるまでそ家無外 ゆっくりいじめ系2363 対決!ドスまりさ!制復性無外 「ゆっくりいじめ系2364 ゆっくり?は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2365 ゆっくり恐怖症 ゆっくりいじめ系2366 ゆっくりまりさが嫌われるまで2 ゆっくりいじめ系2367 竹取り男とゆっくり9 ゆっくりいじめ系2368 ゆっくりを嫌いになるまで ゆっくりいじめ系2369 板挟み ゆっくりいじめ系2370 ゆっくり地球防衛軍 中編 その1 ゆっくりいじめ系2371 ゆっくり地球防衛軍 中編 その2 ゆっくりいじめ系2372 ゆっくりを拾ってきた ゆっくりいじめ系2373 精子餡ネタ ゆっくりいじめ系2374 ゆっくりを嫌いになるまで2 ゆっくりいじめ系2375 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2376 悪食の姫虐家捕無 ゆっくりいじめ系2377 まりさのあい(前編)虐性家無 ゆっくりいじめ系2378 まりさのあい(後編)虐家無 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2380 豆れみりゃと二重人格お兄さん虐家無外 ゆっくりいじめ系2381 作者さんの要望により削除しました 「ゆっくりいじめ系2382 くそれいぱーのありすはゆっくりしないでしんでね!は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2383 粉ゆ虐無 ゆっくりいじめ系2384 人間と山のゆっくりそ環無外 ゆっくりいじめ系2385 ゆラゴンクエストそ無外 ゆっくりいじめ系2386 リアル弾幕ごっこ虐機無外 ゆっくりいじめ系2387 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2388 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園1虐無外 ゆっくりいじめ系2389 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園2虐無外 ゆっくりいじめ系2390 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園3虐無外 ゆっくりいじめ系2391 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園4虐無外 ゆっくりいじめ系2392 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園5虐無外 ゆっくりいじめ系2393 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園6虐無外 ゆっくりいじめ系2394 ずっとゆっくりするんだよ(前編)虐家無外 ゆっくりいじめ系2395 ずっとゆっくりするんだよ(後編)虐家無外 ゆっくりいじめ系2396 過剰愛でお兄さんの悲劇虐共制家無外 ゆっくりいじめ系2397 ゆっくり狩猟任務(前編)虐 ゆっくりいじめ系2398 冬の山にて(前編)虐制環家無外 ゆっくりいじめ系2399 冬の山にて(後編)制環共家無外 ゆっくりいじめ系2400 砂場で棒倒し虐制家無外 ゆっくりいじめ系2401 ガンナーお兄さん虐家無 ゆっくりいじめ系2402 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2403 桃栗三年柿八年虐家無外 ゆっくりいじめ系2404 草抜き虐家無外 ゆっくりいじめ系2405 まりさとわたしそ家無外 ゆっくりいじめ系2406 レイパーの動機虐家性 ゆっくりいじめ系2407 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2408 あまあまをちょうだいね虐家無 ゆっくりいじめ系2409 まんじゅうの精虐無外 「ゆっくりいじめ系2411 担い手は此処に独りは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系2412 まりさとわたし タベモノ ゆっくりいじめ系2413 元祖ゆっくりとの遭遇 ゆっくりいじめ系2414 あるゆっくりふらんの調教記(前編) ゆっくりいじめ系2415 あるゆっくりふらんの調教記(後編) ゆっくりいじめ系2416 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い ゆっくりいじめ系2417 ゆっくり射的 ゆっくりいじめ系2418 橙じりんぐ(前編) ゆっくりいじめ系2419 橙じりんぐ(後編) ゆっくりいじめ系2420 リ・ターン ゆっくりいじめ系2421 ゆっくり狩猟任務(後編)虐 ※ゆっくりいじめ系2422は作者さんからお申し出がありましたので削除いたしました。by管理人 ゆっくりいじめ系2423 紙芝居を聞かせて?虐無 ゆっくりいじめ系2424 野生の豆れみりゃ虐環家共 ゆっくりいじめ系2425 ゆっくり地球防衛軍 後編 その1 ゆっくりいじめ系2426 ゆっくり地球防衛軍 後編 その2 ゆっくりいじめ系2427 ゆっくり地球防衛軍 後編 その3 ゆっくりいじめ系2428 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2429 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(表)~虐環家 ゆっくりいじめ系2430 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(裏-1)~制環家 ゆっくりいじめ系2431 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(裏-2)~制環家 ゆっくりいじめ系2432 SSがあっぷされるまで虐そ機 ゆっくりいじめ系2433 絶対命令お兄さん虐家共無外 ゆっくりいじめ系2434 まりさとわたし スミカ虐環無外 ゆっくりいじめ系2435 契約を結ぼう制無外 ゆっくりいじめ系2436 りーだーまりさの成長虐制家 ゆっくりいじめ系2437 ゆっくり新入生制無 ゆっくりいじめ系2438 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2439 ゆっくりつり虐無外 ゆっくりいじめ系2440 いいつけてやる!虐家 ゆっくりいじめ系2441 まりさとわたし キョセイ虐機無外 ゆっくりいじめ系2442 ゆっくり花粉症虐環 ゆっくりいじめ系2443 中学生のゆっくりいじめ(前編)虐無外 ゆっくりいじめ系2444 中学生のゆっくりいじめ(後編)虐無外 ゆっくりいじめ系2445 ゆっくり実験虐家無 ゆっくりいじめ系2446 対戦型ゆっくりゲーム虐無外 ゆっくりいじめ系2447 もしもゆっくりに出会ったら虐制無 ゆっくりいじめ系2448 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2449 ゆっくりお花見しようよ虐家無外 作者により削除されました ゆっくりいじめ系2451 駆除屋虐無 ゆっくりいじめ系2452 ドスは死亡フラグ虐無外 ゆっくりいじめ系2453 ゆっくりいじめ系2454 駆除虐家無外 作者さんの要望により削除しました 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2457 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2458 死餡感染お兄さん制家無外 ゆっくりいじめ系2459 父の愛情制家無外 「ゆっくりいじめ系2460 最初っからだよ!は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系2461 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2462 被虐のみょん_その一(前編)環家共 ゆっくりいじめ系2463 被虐のみょん_その一(中編)環家共 ゆっくりいじめ系2464 被虐のみょん_その一(後編)制環家共 ゆっくりいじめ系2465 どのゆっくりがこのみ? ゆっくりいじめ系2466 ゆっくりれいむを発狂させよう! ゆっくりいじめ系2467 週末の過ごし方 ゆっくりいじめ系2468 豊作祈願 ゆっくりいじめ系2469 竹取り男とゆっくり10(最終回・前編) ゆっくりいじめ系2470 竹取り男とゆっくり10(最終回・中編) ゆっくりいじめ系2471 竹取り男とゆっくり10(最終回・後編) ゆっくりいじめ系2472 とかいはルール ゆっくりいじめ系2473 ゆっくりいじめ系2474 レイパー対策 ゆっくりいじめ系2475 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2476 クイーンの奇形ゆっくり1 ゆっくりいじめ系2477 駆除屋2 ゆっくりいじめ系2478 クイーンの奇形ゆっくり2 ゆっくりいじめ系2479 ゆっくりとの攻防 ゆっくりいじめ系2480 狩人 ゆっくりいじめ系2481 ゆんぽぽ ゆっくりいじめ系2482 ぱちゅりーばたーをつくろう! ゆっくりいじめ系2483 ゆっくりしたおかーさんにごはんをあげよう! ゆっくりいじめ系2484 そっくりれいむで遊ぼう! ゆっくりいじめ系2485 ゆっくり再調教 ゆっくりいじめ系2486 ゆっくりぱらのいあ ゆっくりいじめ系2487 分銅と砂時計 ゆっくりいじめ系2488 あおりぼん ゆっくりいじめ系2489 あおりぼん ゆっくりいじめ系2490 ゆっくりいじめ系2491 ゆっくりって言っちゃ駄目だよ ゆっくりいじめ系2492 ONE ゆっくりいじめ系2493 やさぐれいむ2 ゆっくりいじめ系2494 そおとⅠ 小悪魔の場合 ゆっくりいじめ系2495 ゆっくりへの階段 ゆっくりいじめ系2496 胴付戦隊ゆっくりじゃー ゆっくりいじめ系2498 クイーンの奇形ゆっくり3 ゆっくりいじめ系2499 とあるきめぇ丸の一日 ゆっくりいじめ系2500 作者さんの要望により削除しました
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「ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇/コメントログ」 楽しー!! -- 2010-07-08 00 39 12 面白いな、ゆっくりは -- 2012-08-26 11 50 47 ぼっ気とかもうね、笑いどころばっかりだよ -- 2012-12-19 15 14 08 なんかもう酷いね! -- 2016-02-24 01 39 27
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「ふたば系ゆっくりいじめ 42 今と昔.TXT/コメントログ」 考察系SSか…ジェノサイド分もっとよこすんだぜ! -- 2010-09-04 19 52 29 積みじゃなくて詰みだよ!ゆっくりりかいしてね! -- 2011-08-22 09 16 49 そうか、ゲスはおれらのせいでうまれたのかー そーなのかー -- 2011-09-19 10 58 21 これはこれでイイな。こういうの好きだなー。 -- 2013-08-16 18 14 29
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『SSC part2』 presented by 春巻 ※注意 このお話の《おにいさん》は、香霖堂の店主、河城にとり、さらにはAQNと仲が好い。というように、幻想郷メンバーに知り合いはそれなりに居る設定。 幻想郷キャラには協力を仰ぐ程度で、台詞は存在しない。 冒頭で登場するゆっくりは《直接的で》肉体的な虐待は受けない……けど。 ハイテクな製品が登場しますが、舞台は幻想郷である。 おにいさんがハイテク機器を巧みに操れるのは、にとりちゃんの指導もあるが、おにいさん本人が幻想郷に来る以前はシステムエンジニアをしていたから。 過度な改行はしていない。読みにくければ各自Windowsのメモ帳などにコピペするなど、折り返し機能のあるテキスト閲覧ソフトを使ったりして自分で見やすくして欲しい。というか、メモ帳にコピペしたほうが見やすい、これ絶対。(∵Word2007を使用している) ※以上、注意 朝の目覚めは、優雅に珈琲を飲みながら。 「ゆううううううう!! どぼぢでこんなことにいいいい!!」 「ゆっぐりさせてよおおおおおおおおお!!」 ゆっくりの悲鳴を聞くことから始まる。 ○ お久しぶりですね。 先日、SSC――スーパースローカメラで撮影した活動写真でゆっくりをいじめたおにいさんです。 あの映像を見せた後で、あまりの精神的衝撃に耐え切れず死んだぱちゅりーを処理しようと部屋に入ったところ、れいむも餡子を吐ききって息絶えていた。 タイミングを考慮して、恐らく眼窩から眼球と餡子が飛び出していったところで、心が壊れてしまったようだ。 ちぇんやまりさも具合はよくないようだったが、れいむほどではない。れいむ種というものは、精神面においてはぱちゅりーほどに弱いのかもしれない。 それから一夜経った今日は、先日の生き残りに加えて、今朝玄関先の罠にかかっていたゆっくり四つを追加した。 罠と言っても、よく聞かれるものだ。開け放された窓のしたに落とし穴を掘っただけ。人間、しかもおにいさんの家であり、その癖開け放された窓。何か仕込まれているのではないか、こいつは怪しいぞ、と他の妖怪や妖精ならば考えそうなものだ。たとえチルノでもそう考えるだろう。あの氷精だって計算くらいは簡単に出来るし、弾幕ごっこだって状況判断して出来るじゃないか。 ま、今は氷精を語っても意味が無い。ゆっくりいじめだからな、このスレッドは。 今日捕まえられたゆっくりは、れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす。 ありすは、今までここに来たことは無かった。俺が捕まえてくるのは大概が《れい・まり》コンビであったので、いつもと違う反応が見られるかもしれない。 さらに、正直なことを言うと、ぱちゅりー種はあまり来てほしくない。頭がよく、液晶テレビに表示した文字などを簡単に読んでくれる面では重宝しているが、精神的ショックによる喘息の発作(本当にそうなのかは判じ得ないところがある)ですぐに死んでしまい、面白くないのだ。 ビデオを作りときにも、すぐ死んでしまうために面白い反応が得られにくいのだ。 何か、ぱちゅりーを使っても愉快に虐待できる題材があったら、ぜひ教えていただきたい。 さて。 それでは、本日のビデオを放映するとしよう。 今日は、前回も登場し手伝ってくれた虐待おにいさんと、にとりちゃん。更には『文々。新聞』でおなじみの、射命丸文ちゃんにも協力願った。文ちゃんには、空撮をお願いしたのだが、こういってしまうと何をとったか推測できるかもしれないので、早速ビデオを再生するとしよう。 遠隔操作で部屋の照明を落とす。現在は正午を過ぎたくらいであるため、明るさは然程変わらない。そのため、もうひとつの釦を操作して厚手のカーテンを閉めた。これで虐待部屋に光は殆んど入ってこなくなった。 その様子を見ていたゆっくりたち(現在は十個居る)は、俄かに騒ぎ出す。誰も来ていないし、何もしていないのに部屋が真っ暗になったのだ。ハイテク機器のいろはも解からないゆっくりには脅威だろう。 中でも、昨日、似たような体験をした記憶があるまりさとちぇんは、一際騒ぎ立てていた。ゆっくりできなくなるよー、という絶叫は、この上なく邪魔である。 最も、今はそれどころではない。 さっさとスペシャル映像を見てみたいだろう。 まずは標準カメラで地上から撮影したものだ。 ○ 「おそらをとんでいるよ!! ほんとにおそらをとんでいるよ!!」 「れいむ!! まりさたちとりになったみたいだぜ!! これでもうすぐゆっくりぷれいすにつくんだぜ!!」 「ゆゆゆううううう!!」 「うーっ、うーっ!!」 繁みから撮っているため視覚的には判別しにくいが、声で判ると思われる。 上空十メートルほどのところには、うーぱっくに乗ったれいむとまりさが空中散歩を楽しんでいる。 うーぱっくは全部で五個。その内三個には何も乗っていないようだ。 恐らく、どこかの人間の畑に降り立って作物を食い荒らし、あまつまで盗んでしまおうという腹のようだ。 うーぱっくと共に動き回る盗賊ゆっくりがいるというのは、最近ではよく聞く話になった。れみりゃ種亜種のうーぱっくの性質を巧く利用した、賢い奴らだ。 この先にあるのは小さな集落。住んでいるのは年配の、しかも普通の人間である。盗みやすいことこの上ないのだが、その情報はどこから手に入れたのだろうか。有能なボスの手下なのかもしれない。 しかし、このゆっくりたちを乗せているうーぱっくは大柄だ。一般的なサイズとしては大人のゆっくりを乗せるとスペースがなくなるはずだが、まるでゆっくりふたつを乗せても問題が無いように見える。 だが、その方が好都合だ。 「ゆゆっ!! れいむ!! はたけはもうすぐなんだぜ!!」 「ほんとだね、まりさ!! にんげんたちはれいむたちのためにたべものよういしてくれているなんて、ほんとうにゆっくりしているね!!」 「ゆゆう!! これからもよろしくたのみたいものだぜ!!」 なにやら勝手なことを言っている。 撮影しているこの場所は畑から三十メートルの地点に聳える崖の下側。 ふいよふいよと高度を下げつつ崖の上を飛んでくるうーぱっくは、見るからにゆっくりしていて、その魂胆さえなければそのまま空中散歩をさせてあげたいものだが――。 ――世の中、決して、ゆっくりを中心には廻らない。 「う……? う、うあっ!? う゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!??」 最後尾を浮遊していたうーぱっくが、いきなり叫び始めた。前を行くうーぱっくと、それに乗っているれいむとまりさも後ろを気にかけた。 「どうしたんだぜ、うーぱっく!!」 「しずかにしないとにんげんがくるよ!!」 うーぱっくに乗ったまま振り向くふたつの饅頭。うーぱっく本体は急な方向転換を避けるため振り向きはしなかった。 だが。 「ゆうううううううううう!!??」 「どおしでもえでいるんだぜ!!??」 最後尾のうーぱっくの中からは、紅蓮の色をして踊り狂う炎。 段ボールで出来ているうーぱっくの最大の敵のひとつだ。 「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!??」 為す術無く見つめていると、れいむを乗せたうーぱっくの横を飛んでいた空のうーぱっくも叫びだし、間もなく煙と炎を出して燃え始めた。 「ゆううううう!! まりざあああ、あづいいいいいいい!!」 「ゆゆゆ!! うーぱっく、はやぐそいづからよけるんだぜえ!!」 完全にパニックに陥ったれいむに比べて冷静な対応を促すまりさ。やはりこちらの方が餡子の質がいいらしい。 しかし。 「う゛あ゛っっっ!!!」 ちゅどーん、という音を立て、先頭を飛んでいたうーぱっくが、突如として姿を消した。 そのすぐ後ろを飛んでいたまりさを乗せたうーぱっくは、爆風の直撃を受けてバランスを崩す。 目の前で仲間が燃やされている。この状況にあって、うーぱっくには傾いた体勢を立て直せるほどの余裕は無かった。 「まりざっっ!?」 「ゆううううううううううううう!!! れいぶうううううう、はやぐまりざをたずげるんだぜえええええええええ!!」 絶叫を残し、まりさはうーぱっくから落下。 運の悪いことに、ゆっくりたちの目指していた畑の手前には崖があり、その下は硬質の岩だらけ。時々この崖が崩れることがあるらしく、そのたびごとに出来る岩の塊だ。 「ばあああああありいいいいいいいいいざあああああああああああ!!」 「ゆううううううううううううううううううううう!!!!!」 まりさはその岩塊に向かって落ちてくる。 「ぼっどゆっぐりぢいいいいいいいやああああああああああっ!!」 ぶづぐじぃゃああ!! 得体の知れない擬音を残して、まりさはぺしゃんこになった。 《もっとゆっくりしたかった》 その言葉すら遺す事も出来なかった。 「ゆうううううっ、ゆうううううううっ!!!!!」 眼下に広がる岩場には、同心円を描くように餡子の海。それを真上から見ていたれいむは、ただ涙を流すのみ。 「うーーーあーーーーっ!!」 「うあっ、うあっ、うあっ!!」 れいむを乗せていたうーぱっくもブサイクな顔で泣いている。 だが、一番精神的衝撃が大きかったのは、まりさを乗せていたうーぱっくなのだろう。仕事も完了していないだけならまだ救い様がある。だが、乗せていたゆっくりを転落死させてしまうということは、うーぱっくの至上の汚点。その衝撃は計り知れない。 しかし、悪夢はまだ続く。 「……ゆ? !!???」 急に背中が熱くなったことに気づいたれいむ。だが、それに気づくのに、若干ゆっくりしすぎたようだ。 れいむの背後には火の玉がひとつ。 自分の野菜の取り分を多くしようと目論んで、大きなうーぱっくに乗り込んだのが、ここで裏目に出た。丁度のサイズのうーぱっくに乗り込んで、荷物運搬用として大柄なうーぱっくを使ったほうが効率も良かったはずなのだが、それすら解からないのは餡子脳が餡子脳たらしめている証だった。 「ううううううううううううあああああああああああああああ!!!!」 うーぱっくも自分の体が燃えていく痛みに耐えられるはずも無い。あっというまにれいむとうーぱっくは炎に包まれ、まりさの後を追った。 「うーーーーうーーーーーーーーー……」 唯一生き残った、生き残ってしまったうーぱっくは茫然自失。仲間をすべて失い、乗せていたゆっくりも殺してしまった。 完全なる無表情でふらふらと高度を下げ、畑の手前に墜落するように着陸した。 「うー、うー……」 さめざめと涙を流すが、こいつも頭がよろしくない。元をたどればれみりゃ種であるから無理は無いのだが。 「うあっ!!」 近くの繁みには虐待おにいさんが潜んでいることを、うーぱっくは知らなかった。 身動きも、絶叫も残せぬままに、最後のうーぱっくは虐待おにいさんの両腕に引き裂かれた。 ○ 「えれえれえれえれえれえれえれえええれえれえれれれれれれれれれれれれれれれ」 「ちょっと、ぱちゅりー!! なにはいてるの!? しっかりしなさいよ!!」 ホラ。やっぱり即死した。 だから、面白みが無いというのだ。標準カメラの撮影動画で死なれたら、折角のSSCが役に立たないではないか。 それにしても、このありすは精神的に強いのか、上映が終わるとすぐさまぱちゅりーの心配を始めた。セクシャルマシンはそういうものなのだろうか。噂に聞けば、ありす種もぱちゅりー種に及ばないものの中身の質がいいらしいので、この反応にもある程度納得がいく。 他のゆっくりの様子はと言えば、今日連れてきたれいむとまりさは相当なダメージを受けたようで、ゆっゆっと呟いているだけだ。 昨日から居るゆっくりは幾分慣れたようで、呆然と何かを呟くような状態まではいっていない。ただ、見方を変えれば、現実逃避をしているようにも見て取れる。どちらでも大差はない。皆さんが思ったほうで構わないし、俺はとくにその考えに固執しない。所詮、小事の前の大事である。 さて、今日のテーマはもうお分かりのように《うーぱっく盗賊団の抹殺》だった。 実のところ、今回のターゲットがうーぱっくたちになったのには、結構大きな理由が在る。 撮影を手伝ってくれた虐待おにいさんは、その正確をカモフラージュするために、ゆっくり処理を副業としていた。今回おにいさんは、ビデオに出てきた畑の主である集落の長をゆっくり盗賊団から守るという役を拝命していた。それを耳に入れた私が、撮影の許可を得て、今回のビデオが完成したという筋書きだった。 おにいさんも、自分の武勇伝となる記録映画ができたし、集落の長も畑も守ることが出来た。とりあえず、ゆっくりを除外して、皆が利益を得たというわけだ。 どういった手段がとられたかは何となくわかるだろうが、ここでひとつ説明を挟みたい。 まず、うーぱっくの隊列で最後尾を飛んでいた段ボールの中に、火の点いたマッチ棒を投げ込む。これは木の上に潜んでいた犬走椛ちゃんがやってくれた。何でも、今回の撮影で文ちゃんに依頼したときに、文ちゃんが半ば無理やり引き摺ってきたのだ。ちょっと申し訳なく思っている。 最後尾のうーぱっくが墜落を開始したところで、れいむの乗っているのに直近を飛行するうーぱっくを攻撃する。これは、絶望感を煽ってパニック状態に引きずり込むための戦法だ。 案の定れいむが混乱状態になったところで、今度は先頭のうーぱっくに小型合成樹脂爆弾を放り込む。薬剤の調合などは自前だ。 本当なら、注意を逸らされたこのタイミングでまりさを攻撃する手筈だった。だが、先頭のうーぱっくにやたらと近いところを飛んでいたまりさのうーぱっくは、この爆風を直接的に受けてしまった。どうやらまりさは、れいむのみ被攻撃対象とし、自分はさっさと逃げようとしていたらしい。此処に来て、その根性の腐り具合が裏目に出たと言うことだ。 爆風を受けたうーぱっくはバランスを崩し、完全に横倒し体勢になった。まりさはその(ゆっくりたちのレベルで考えて)急な動きを堪えることができず、運悪く真下に控えていた岩の塊(しかも都合よく一番尖ったところ)に落下し、その身体を砕いた。 絶望感に包まれたれいむが乗るうーぱっくには、上空を飛んでいた文ちゃんから火の点いた藁の球体が投げ込まれ、あっというまに火の車。 唯一生き残ったうーぱっくは、予定通りに、虐待おにいさんが破り捨てた。 以上だ。 うーぱっくというゆっくりについて、恥ずかしながら、私はこのビデオ撮影のときが初顔合わせだった。 素材としては段ボール箱に羽と顔がついて、ゆっくりれみりゃのように頭のよろしくない種類だということを知識としていた程度で、実際どのようなものなのかという点では心許無かった。 その弱点を補うべく、この撮影には文ちゃんに協力をお願いした。 彼女もゆっくりを追跡する記事をいくつか書いていたらしく、あっさりと乗ってくれたので交渉はきわめてスムーズであった。 なお、空撮もお願いできたので、今回SSCを持ったのは他ならぬ文ちゃんである。 ブンヤの血が騒ぐのか、SSCの操作法を口頭教授しただけで完璧に使いこなしたのには驚いたが、そのおかげで決定的瞬間を間近で撮影することができた。 虐待部屋は予想通りの大騒ぎだった。 とくに部屋の中に居るまりさ、全四つが、揃いに揃って喚いている。もしかしたら、このまりさたちもうーぱっく強盗団の一味なのかもしれない。別な考え方をすれば、まりさたちの属するゆっくり集団がうーぱっくと仲が良いのかもしれない。 最も、そんなことは関係ない。 今から、もっと恐ろしい瞬間を目の当たりにするのだ。 虐待部屋の餡子の処理が大変になればなるほど、ビデオが高評価を受けたということだから。 ○ 「ゆゆっ!?」 「わかるよー、でもわかりたくないよー!!」 「ぼうやべでえええええ!!」 怒号の飛び交う虐待部屋では、加工後の映像とSSCで撮影された映像が映し出されようとしている。 前回と同じく急激に画像が初期状態に戻されたのを見て、昨日から居るゆっくりにはこれから何が起こるのか理解が出来ているようだ。優秀なのは、このあたりで助かる。 今日から入ったゆっくりも、この発言を受けて恐ろしいことが始まるということが分かったようだ。ゆっくり同士で助け合い(ゆっくりからすれば首の絞め合いだろうか。首なんか無いけど)をしてくれるのは好ましいことだ。 ビデオの映像は、静止画面。うーぱっく五個とれいむ、まりさが、これから自分の身に降りかかる悲劇など知らぬように(実際知らなかったが)楽しそうな遊覧を続けていた。 テレビの静止画像というのは、意外にも不安を煽るものだ。通常動いている映像が映るという先入観のようなものを持っている場合、よからぬことが起こっている、もしくは起こってしまうような気がするのだ。 どうやらこのゆっくりたちも、そんな先入観を既に持ってしまったようだ。余計な先入観は視野を狭めるというが、まさか饅頭の世界にも起こり得るとは思わなかった。 数秒間の沈黙の後、画像がゆっくりと動き始める。今回の映像は、スロー音声も重ねておいた。標準カメラで取った映像にしか対応していないのでまだ面白みに欠けるが、いくらかよいだろう。一回目の教訓を受けて、この映像を撮ったときは椛ちゃんにガンマイクを持たせていたのだ。 壊れたカセットプレイヤーから出る声は気持ち悪い。今虐待部屋には、そんなゆっくりたちのきわめてゆっくりとした会話がかかっている。 「ほぉんとだぁねぇぇぇ、むぁりぃさぁ!! にぃんげぇんたぁちぃはぁ、れぇいいむぅたぁちぃのぉたぁめぇにぃたぁべぇもぉのぉよぉうぅいぃしぃてぇくぅれぇてぇいぃるぅなぁんてぇ、ほぉぉんとぉうにぃゆぅっっくぅりぃしぃてぇいぃるぅねぇ!!」 「ぃゆぅゆぅうぅぅ!! こぉれぇかぁらぁもぉぉ、よぉろぉしぃくぅたぁのぉみぃたぁいぃもぉのぉだぁぜぇぇ!!」 いい加減、これはうざったい。 だが、ゆっくりたちの恐怖心を煽るには充分らしい。先ほども見た画像で、これから何が起こるかなんて、あのインパクトの所為で餡子脳でもメモライズできている。早く終わって欲しい画像なのに中々始まらないのは、生殺しに近い。 そして、ついに、恐怖の時間がやってきた。 「う……?」 身体の中から、 不意なる暑さ。 経験し得ない、 おかしな熱さ。 「う、うあっ!?」 自分で見るのは、 出来ないけれど、 見なくてもわかる、 この熱さ。 「う゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!??」 身体の中から、 広がる熱さ、 気づいたときには、 身体は明るく、 火の玉のように なっていた。 「どうしたんだぜ、うーぱっく!!」 「しずかにしないとにんげんがくるよ!!」 急に叫んだ うーぱっく。 こういう行動、 困るんだ。 振り向き見たのは、 悲劇の序章。 「ゆうううううううううう!!??」 「どおしでもえでいるんだぜ!!??」 知らなければ良かった。 でも、知らずにはいられない。 一番子供のうーぱっく、 火の玉になって消えてった。 「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!??」 「ゆううううう!! まりざあああ、あづいいいいいいい!!」 「ゆゆゆ!! うーぱっく、はやぐそいづからよけるんだぜえ!!」 れいむの横の うーぱっく。 今度はこの子が、 叫びだす。 さっきと同じく、 身体が燃える。 悲劇はまだまだ、 終わらない。 「う゛あ゛っっっ!!!」 一体何が、 起こったの。 先頭飛んでた うーぱっく、 最初っから、最期まで、 何がどうだか知らぬまま。 身体は空気の 塵になる。 「まりざっっ!?」 「ゆううううううううううううう!!! れいぶうううううう、はやぐまりざをたずげるんだぜえええええええええ!!」 油断したのが、 不味かった。 急に倒れた、 うーぱっく。 いきなり横に、 なるものだから、 ゆっくり反応、 できないよ。 「ばあああああありいいいいいいいいいざあああああああああああ!!」 「ゆううううううううううううううううううううう!!!!!」 まりさは、お空を 飛んでいる。 最初は、箱の 力を借りて、 今度は、自分の 力だけ。 だけど、ホントは、 お空を飛べない。 まりさは、お空を、 飛べないぜ。 「ぼっどゆっぐりぢいいいいいいいやああああああああああっ!!」 ぶづぐじぃゃああ!! 「ゆうううううっ、ゆうううううううっ!!!!!」 「うーーーあーーーーっ!!」 「うあっ、うあっ、うあっ!!」 仲間がみるみる 減ってゆく。 流れる涙は、 増えてゆく。 悲劇はますます、 加速する。 「……ゆ? !!???」 「ううううううううううううあああああああああああああああ!!!!」 またも燃えてく うーぱっく。 今度はれいむも 道連れだ。 「うーーーーうーーーーーーーーー……」 最期に残った うーぱっく。 最早、生きてる 仲間も居ない。 「うあっ!!」 もう、これ以上は無いはずだ。 こんな悲劇は、無いはずだ。 そう思っていたれど、 ゆっくり中心の世界は、無い。 To be continued...? あとがき。 何となく。SSCで撮影したら、こんなのも面白いかなと思って、燃やしてみました。 今度は、れみりゃを被写体に、おにいさんは大暴れする……、かもしれませんよ。 ○過去作品リスト(ゆっくりいじめのみ) 拳の歳末 (fuku1905.txt,fuku1908.txt) SSCシリーズ 第一弾『握りつぶす』(fuku2196.txt) その他、幻想郷キャラいじめを数作品(春巻リリーホワイト、人参と胡瓜の悲劇、放置プレイ、陰の薄い秋姉妹いじめ) このSSに感想を付ける